金正恩「新体制」と「対米交渉」の行方(10・了)

執筆者:平井久志 2019年5月6日
エリア: 北米 朝鮮半島
金正恩党委員長(左)とトランプ米大統領(右)――3度目の会談はあるのか (C)AFP=時事

 

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』はハノイ会談後の3月21日、董泰官(トン・テグァン)記者による「われわれの前進は絶え間なく力強い」と題した「政論」を掲載した。

 北朝鮮はほぼこの時点で、米国による制裁圧迫と中長期的に戦わなくてはならず、結局はこれまでも繰り返し強調されてきた「自力更生」路線で制裁圧迫に抗っていくという方針を決めたとみられる。

「水と空気さえあれば生きていける」

 この長文の論文は具体的な対米批判は避けながら、北朝鮮人民が、制裁という「暴風」に抗って戦っていく姿を称えた。冒頭は「木はまっすぐに立って高く伸びようとするが、暴風と降雪がそれを許さない。しかし、暴風が枝をゆさぶり、降雪が地を凍らせようと木はしっかりと天に向かって伸びていく」と、朝鮮人民の姿を描写した。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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