岩瀬昇のエネルギー通信 (161)

英国「イランタンカー拿捕」の謎とさらに遠のく「核合意」復活

ますます緊張が高まっている(ホルムズ海峡周辺で演習中にミサイルを発射訓練を行うイラン軍の軍艦、2012年)(C)EPA=時事

 

 先日、昨今のペルシア湾を巡る米国とイランの対立激化が石油市場に与える影響について、幅広い関係者と意見交換をする場があった。

 

 興味深い指摘が多々あったが、事の性格上、ここでご披露することができないのが残念だ。

 したがって、筆者の個人的な見解のみを次のとおり紹介させていただくことでご勘弁いただきたい。

 この会合の場で、筆者が議論の出発点としたのは、7月4日にジブラルタル沖で、イランのタンカー「グレース1」号が英国によって拿捕され、これが今後「米イ対立」に新たな展開をもたらすだろう、というものだった。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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