
出雲が北陸に伝えた「四隅突出型墳丘墓」(筆者撮影)
10月を神無月(かんなづき)と呼ぶのは、日本全国の神々が出雲に出かけてしまうからで、出雲では逆に神在月(かみありづき)と呼ぶ。この話、すでに連載91回で記している(2017年10月12日『「神在月」から解ける「国譲り」「天孫降臨」神話の謎』)。神話の中で出雲の神々は「現実の政治にタッチしないで祭祀に専念しろ」と命じられ、これが「年に1回神々が出雲に集まる」という信仰に繋がったというものだ。
ただし、出雲の謎は、まだ尽きない。たとえば、神話の中で幽界に去って行ったはずの出雲の神々や人脈が、なぜか歴史時代に入ってヤマトに姿を現す。「出雲」は、創作された神話ではなかったのか?

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