法律で決まっているわけでもないのに、当然のことのように徴収されるATMの手数料。われらが「公的」銀行は、何を拠り所にしているのか。 さて、今晩は家族にすき焼きでも食べさせよう。おいしい牛肉を買いたいとスーパーに足を運んだあなたは、財布の中身が心許ないことに気づく。あたりを見回すと、ATM(現金自動預払機)が目に入った。時刻は夕刻。口座を持っている銀行ではないけれど、キャッシュカードが使えるので必要なお金を引き出す。一〇五円の手数料を支払って――。 よくある話だ。ATMを利用するとき徴収される「手数料」なるものに、私たちはすっかり慣れっこになってしまっている。スーパーのチラシで肉の値段を比較したときは十円の違いがあんなに気になったにもかかわらず。

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