灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(117)

執筆者:佐野美和 2020年9月6日
タグ: 日本
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 義江の「愛の勝者」三上孝子が帝国ホテルにやってこない日の義江は、誰の目にも孤独な淋しい老人に映った。

 それでも義江のあくなき食欲だけは旺盛だ。

 レストランでは若いボーイにナプキンを首元にかけてもらい、1日も欠かさないという牛ステーキは小さく切ってだされ、震える手でどうにかそれを口にはこんだ。

 夜食も欲しがり「今夜は夜中に何を食べさせてくれるのかな」と楽しみにする。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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