「せっかく作ったのに、なぜ、どこも申請してこないんだ」 昨年末、佐藤隆文金融庁長官との話し合いの場で、中川昭一財務・金融相は怒りをあらわにした。金融機関への公的資金注入を可能とした改正金融機能強化法をもっと金融機関に使わせろという“恫喝”だった。 一月中旬、第二地方銀行協会の会長行を務める札幌北洋ホールディングス(北海道)が公的資金注入の申請を検討していることが明らかになる。実は、同行の横内龍三頭取はその一カ月前のインタビューで、公的資金の受け入れを「全く考えていない」と述べていた。それが一転して申請に向かったのはなぜか。

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