中露は「ドル覇権」を崩すのか:ウクライナ戦争という金融バトル

G7が強調して強力な金融制裁をロシアに科す――これは「ドル覇権」を巡る戦争でもある(写真は2月24日に行われたG7オンライン首脳会合)(C)時事
ウクライナ侵攻に対する厳しい金融制裁を科せられたロシアが仕掛けるのは、ドル覇権に対する砲火を交えない“もう1つの”戦争だ。SWIFTから排除されたロシアは人民元による国際決済システム「CIPS」を使うと見られるが、中国がロシアの足元を見透かす動きもある。

 ウクライナ戦争で注目すべきなのは、国際金融秩序の行方である。

 米国が中心になって発動した対ロシア金融制裁は、ドルの威力を探る実験場だ。ロシア大手銀行を軒並み欧米の国際金融市場から締め出し、国際銀行間通信協会(SWIFT)からも排除する。加えてロシア中央銀行に外貨準備を使わせないという大規模な金融制裁が、世界で12番目という経済大国に科されるのは初めてだ。

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執筆者プロフィール
杉田弘毅 共同通信社特別編集委員。1957年生まれ。一橋大学法学部を卒業後、共同通信社に入社。テヘラン支局長、ワシントン特派員、ワシントン支局長、編集委員室長、論説委員長などを経て現職。安倍ジャーナリスト・フェローシップ選考委員、東京-北京フォーラム実行委員、明治大学特任教授なども務める。多彩な言論活動で国際報道の質を高めてきたとして、2021年度日本記者クラブ賞を受賞。2021年、国際新聞編集者協会理事に就任。著書に『検証 非核の選択』(岩波書店)、『アメリカはなぜ変われるのか』(ちくま新書)、『入門 トランプ政権』(共同通信社)、『「ポスト・グローバル時代」の地政学』(新潮選書)、『アメリカの制裁外交』(岩波新書)など。
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