
「行儀が良すぎる」全人代は政権の安定を意味しない(3月5日、全人代の開幕に臨む習近平国家主席と李克強首相=後方) (C)AFP=時事
3月11日、中国の全国人民代表大会が終了した。すべてが予定通りに進んだように見える。習近平政権の安定振りを示しているようだが、あまりに行儀が良すぎる。今秋開催される第20回党大会が本番であり、それに向けて水面下でのせめぎ合いは続いていると見るべきであろう。表面的な安定とは裏腹に、習近平政権は多くの点で未完成であり、その基礎は決して盤石ではないからだ。なお、本稿では、政権の考え方を「理論」ないし「思想」、実施の仕組みを「体制」、そして両者を包含した物事の進め方を「路線」という言葉で表すことにする。

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