
被制裁リスクのある国に「脱ドル」「脱SWIFT」の動きが出る恐れも (C)AFP=時事
ウクライナ侵攻で行き詰まったウラジーミル・プーチン大統領が中国との連携に活路を求めているのは、ジョー・バイデン米大統領が指摘するまでもなく明らかだ。それは急場しのぎの兵器や物資の供給だけでなく、長期的なロシアの生存基盤、すなわち「ユーラシア同盟」の構築を睨んでいるといえる。
では、習近平総書記は国際的に孤立する手負いのプーチン大統領に救いの手を差し伸べるのか? 今の局面だけをみれば、ロシア支援は中国にとってマイナスでしかない。だが、中国がロシアを見捨てることはないだろう。プーチン政権が崩壊し、ロシアが弱体化すれば、中国は単独で米国陣営に対峙しなければならなくなるからだ。「弱った狼でも番犬にはなる」というのが中国にとってのロシアの意味であり、「中華民族の偉大なる復興」という習総書記の夢の実現には、たとえ捨て石であってもロシアは欠かせないのである。

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