「ウクライナ後」に想定すべき新経済圏「中ロ・ユーラシア同盟」の不気味な潜在力(下)

執筆者:後藤康浩 2022年3月24日
エリア: アジア
被制裁リスクのある国に「脱ドル」「脱SWIFT」の動きが出る恐れも (C)AFP=時事
米中冷戦で始まった国際社会のブロック化は、自由な接続によって拡大してきたグローバル経済システムの本質的な脅威と言える。対ロシア経済制裁は、この問題をさらに加速し深刻化させるだろう。米欧日の包囲網と「ユーラシア同盟」の対立構図は、世界にどのような変化をもたらすのか。(この記事の前半は、こちらのリンク先からお読みいただけます

 ウクライナ侵攻で行き詰まったウラジーミル・プーチン大統領が中国との連携に活路を求めているのは、ジョー・バイデン米大統領が指摘するまでもなく明らかだ。それは急場しのぎの兵器や物資の供給だけでなく、長期的なロシアの生存基盤、すなわち「ユーラシア同盟」の構築を睨んでいるといえる。

では、習近平総書記は国際的に孤立する手負いのプーチン大統領に救いの手を差し伸べるのか? 今の局面だけをみれば、ロシア支援は中国にとってマイナスでしかない。だが、中国がロシアを見捨てることはないだろう。プーチン政権が崩壊し、ロシアが弱体化すれば、中国は単独で米国陣営に対峙しなければならなくなるからだ。「弱った狼でも番犬にはなる」というのが中国にとってのロシアの意味であり、「中華民族の偉大なる復興」という習総書記の夢の実現には、たとえ捨て石であってもロシアは欠かせないのである。

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執筆者プロフィール
後藤康浩 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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