環境への悪影響を孕むバイオマスの「大型発電」

執筆者:白井裕子 2022年5月25日
タグ: 脱炭素 日本
エリア: アジア
木質バイオマス発電は、既存の産業構造やエネルギー消費構造のどこに、どのような形で当てはめるかの設計が不可欠だ (C)tchara/Shutterstock.com
再生可能エネルギーの一つとして、木材等を燃料にするバイオマス発電が注目を集める。だが、その有効活用には緻密な制度設計が必要であり、大型発電施設が次々にできる日本のやり方ではむしろ環境への悪影響を危惧しなければならない。FIT(再生可能エネルギー電力固定価格買取制度)によって温室効果ガスの排出量を増やしたり、自然環境を破壊しては、元も子もない。

 2022年の元旦早々、欧州委員会は再生可能エネルギー(以下、再エネ)をベースにした未来への移行を促す一手段として、天然ガスや原子力を持続可能な経済活動の分類に含める案を発表した。そして3月、ロシア軍は稼働中のウクライナ南東部のザポロジエ原発を砲撃、制圧した。欧州の天然ガスの価格も最高値を更新し、エネルギーの安全保障はさらなる難局に直面している。

カテゴリ: 環境・エネルギー
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執筆者プロフィール
白井裕子 慶應義塾大学准教授。早稲田大学理工学部卒、稲門建築会賞受賞、独バウハウス大学留学、早稲田大学大学院修士課程修了、早苗賞受賞。これまで株式会社野村総合研究所勤務、日本学術振興会特別研究員PD、仏CNRS研究員、早稲田大学理工学術院客員教授、内閣府規制改革推進会議専門委員等。工学博士、一級建築士。著書に『森林の崩壊』『森林で日本は蘇る』(ともに新潮新書)。
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