シンガポールが「異例のロシア非難」に込める中国への「隠れた牽制」

執筆者:久末亮一 2022年6月2日
エリア: アジア
シンガポールにとってウクライナ侵略は他人事ではない(C)AFP=時事
ロシアへの姿勢が割れている東南アジアの中で、異例の厳しい態度を見せているのがシンガポールだ。建国以来、生存に苦心してきた小国が、中国の台頭で地域安定性を脅かされる中で考える、偽らざる本音とは。

 

独自の対ロ制裁を発動

 2月24日に始まったロシアのウクライナ侵略について、東南アジア諸国の反応は分かれている。

 例えば、ベトナムやラオスといった、冷戦期から旧ソ連との友好関係が深かった国では冷淡な反応がみられ、目立った対ロシア批判・制裁などには参加していない。インドネシアのような地域大国も、今年度に議長国を務めているG20へのロシアの参加を支持しているように、基本的には様子見の姿勢が目立つ。最も象徴的なのが、3月3日のASEAN各国外相の共同声明で、ウクライナでの停戦を求めた一方、ロシアの名指しを避けたことだ。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
久末亮一 日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 開発研究センター 企業・産業研究グループ 副主任研究員。学術博士(東京大学)。香港大学アジア研究センター客員研究員、東京大学大学院総合文化研究科助教、政策研究大学院大学安全保障・国際問題プログラム研究助手などを経て、2011年から現職。主な著書に『評伝 王増祥―台湾・日本・香港を生きた、ある華人実業家の近現代史』(勉誠出版、2008年)、『香港 「帝国の時代」のゲートウェイ』(名古屋大学出版会、2012年)、『転換期のシンガポール――「リー・クアンユー・モデル」から「未来の都市国家」へ』 (日本貿易振興機構アジア経済研究所、2021年)がある。
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