アジアの縮図「天然資源国ブルネイ」のジレンマ

執筆者:久末亮一 2022年9月6日
タグ: 中国 日本
エリア: アジア
2017年に在位50年を迎えたハサナル・ボルキア国王(C)EPA=時事
ボルネオ島の北西部にある小国ブルネイは、天然資源に支えられた富裕国だ。1970年代から天然ガスを輸入する日本は長らく貿易相手国のトップだったが、シンガポールに抜かれ、中国も迫る。モノカルチャー経済の構造的問題を抱えながら、日米英、ASEAN、中国の間で最大限の実利を得ようとする生き残り戦術は、アジアの縮図ともいえる。

 

 東南アジアのボルネオ島(インドネシア名:カリマンタン島)北西部にあるブルネイ(正式名称ブルネイ・ダルサラーム国)は、多くの日本人が耳にしたことはあっても、馴染みの薄い国だろう。マレーシアのサラワク州に囲まれたブルネイは、総面積は約5770平方キロメートルと東京都の約2.6倍、総人口は約43万人というイスラムの小国である。名目上は立憲君主制だが、実際は世界的富豪としても有名な現国王(スルタン)のハジ・ハサナル・ボルキア・ムイザディン・ワッダラーと一族による絶対君主制が敷かれている。

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執筆者プロフィール
久末亮一 日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 開発研究センター 企業・産業研究グループ 副主任研究員。学術博士(東京大学)。香港大学アジア研究センター客員研究員、東京大学大学院総合文化研究科助教、政策研究大学院大学安全保障・国際問題プログラム研究助手などを経て、2011年から現職。主な著書に『評伝 王増祥―台湾・日本・香港を生きた、ある華人実業家の近現代史』(勉誠出版、2008年)、『香港 「帝国の時代」のゲートウェイ』(名古屋大学出版会、2012年)、『転換期のシンガポール――「リー・クアンユー・モデル」から「未来の都市国家」へ』 (日本貿易振興機構アジア経済研究所、2021年)がある。
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