
通貨の切り替えとともに起きた物価の急上昇に抗議の声が上がった(C)時事
沖縄の日本復帰は、第2次世界大戦後の国際秩序が大きく変動する中で実現した。
リチャード・ニクソン大統領が1971年7月に訪中計画を突如発表し、翌72年2月に訪中したことは、米中対立を基調としていたアジアの国際政治を大きく転換させた。
71年8月には、ニクソン大統領がドルと金の交換停止などの新経済政策を発表し、国際経済を揺るがせた。この出来事は、日本復帰によってドル経済圏から円経済圏へと移行しようとする沖縄にとっても大きな衝撃であった。しかも、その後1ドル360円から1ドル308円へと為替レートが変更されたことで、大きな損失をこうむる可能性が出てきたのである。

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