北東アジア情勢は、米大統領選を前に動きを止めたわけではない。小泉訪朝を批判するだけでは流れに取り残される。[ソウル発]小泉首相は五月二十二日、北朝鮮を再訪問したが、その評価が割れている。拉致問題での成果が被害者家族五人の日本到着だけに終わり、安否不明者十人の消息に関し進展がなかったことなどにより被害者家族などから厳しい批判が起きた。その半面、海外では「有意義な訪問だった」(パウエル米国務長官)、「すばらしい決断」(盧武鉉韓国大統領)と比較的高い評価を得ている。 小泉首相は五月二十二日の出発に先立ち羽田空港で「(拉致被害者の)八人のご家族が日本に帰国できるように全力を尽くす」としながら、同時に「主眼は現在の日本と北朝鮮の敵対関係を友好関係に、対立関係を協力関係にする、その大きな契機にしたい」と強調した。

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