改めて「ソフトパワーとは何か」

執筆者:田中明彦 2005年11月号
タグ: 日本 アメリカ
エリア: アジア

 ソフトパワーという言葉がある。少子高齢化の進む日本のような国は、ハードパワーではなくソフトパワーを充実させなければならない、などと言われることもある。しかし、ソフトパワーとは何かと考えてみると、結構ややこしい。いったい、ソフトパワーを持つためにはどうしたらよいのか。とくに日本にこれを当てはめたら、何をしたらよいのか。 この言葉をはやらせたのが、カーター政権やクリントン政権で米政府の高官も経験したハーバード大学のジョセフ・ナイ教授であることはよく知られている。『ソフト・パワー』という著書も翻訳されている(日本経済新聞社刊)ので、お読みになった読者もあるかもしれない。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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