中東―危機の震源を読む
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敵対勢力を利した米「中東政策」の逆効果
イスラエルとヒズブッラー(ヒズボラ)との大規模な戦闘が開始してから一カ月の八月十一日、停戦を求める国連安保理決議一七〇一が全会一致で採択された。ヒズブッラーとイスラエルの双方に攻撃の停止を要求し、レバノン国軍の南部レバノンへの展開や、それが可能になるまでの間に国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の規模と任務を増強する、といった内容である。ヒズブッラーの武装解除を求めた二〇〇四年の安保理決議一五五九も再確認された。 停戦決議の採択と、両当事者の一応の受け入れ表明がなされ、紛争を一定規模に封じ込める効果は期待できるが、問題解決には程遠い。

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