政治を「家業」とする「名門」がアメリカにも生まれている。奇しくも今年の大統領選は政治家一族同士の一騎打ちとなった。「平等」を標榜するアメリカ社会における政治的名門の台頭とは、いったい何を意味するのか。[ワシントン発]「ダブリュ! ダブリュ!」。テキサス州オースティンの会場に集まった筋金入りの共和党員は、ホワイトハウス入りをめざすテキサス州知事、ジョージ・W・ブッシュの登場を待ちかねて一斉に声を上げた。 ミドルネーム「W」の愛称で呼ばれるブッシュが満面に笑みを浮かべ、大きく手を振り、頭上で両手を結びながら壇上に現われた。スピーチは熱い歓声で何度も中断したが、とりわけ観衆が沸いたのは、彼が父親のジョージ・ブッシュ前大統領と母親のバーバラについて、誇らしげに語ったときだ。「両親の選択という点では、私はまさに最高の仕事を成し遂げた!」。
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