イスラエル・パレスチナ衝突に対応するため、二〇〇〇年十月、カイロで招集されたアラブ首脳会議に、イラクからも招かれてターリク・アジズ副首相が出席した。イラクの招待は、湾岸危機発生の一九九〇年以来である。 同じアラブ国家のクウェートに侵攻して、アラブ・ナショナリズムを分裂させた罰として、アラブ世界から締め出された形であったイラクの、十年ぶりの復権と名誉回復である。 それを可能にしたのは、エルサレムのイスラム聖地について、イスラエルが支配継続の意図をあらわにしたことだ。アラブ世界の「大敵」に対抗するためには、「小敵」を許してまで結束を固める必要があったのである。
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