ドイツで再度高まる反ユダヤ主義

執筆者:立山良司 2001年1月号
エリア: ヨーロッパ

「あなた方はどうしてドイツに住めるのか。私には理解できない」一九九六年一月にドイツを訪問したイスラエル大統領エツェル・ワイツマン(当時)が地元ユダヤ人との集まりでこんな発言をし、物議をかもした。ドイツで生活基盤を確立し、そのことに自信と誇りを持っている地元ユダヤ人にとって、ワイツマン発言はあまりにも唐突だった。 その自信と誇りが揺らぎ始めている。二〇〇〇年十月、ドイツ・ユダヤ人社会の指導者の一人ポール・シュピーゲルは、「ドイツにユダヤ人社会を再建することが本当に理にかなっているのか、と問わざるを得ない」と述べ、反ユダヤ主義の高まりに警戒感を強めている。

カテゴリ: カルチャー
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