一九九六年春、台湾海峡は危機感に包まれた。中国軍は台湾に向けてミサイル発射演習や陸海空合同軍事演習を繰り返し、台湾の近海に中距離地対地ミサイルM9が撃ち込まれた。台湾では海外への資金流出や株価の下落、食糧の買いだめ騒ぎまで起きた。 これに対して、クリントン米政権は空母インディペンデンスとニミッツを中心とする二機動艦隊の十六隻を急派。アメリカの力の誇示で事態はようやく沈静化した。 それから六年後の今年春、台湾機密資金疑惑が暴露され、台湾海峡危機の裏で、台湾情報機関「国家安全局」による秘密工作が展開されていた――と報道された。
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