新たな米露対立の火種 米軍「アゼルバイジャン駐留」

執筆者:Foresight 2004年2月号
エリア: 北米 ヨーロッパ

 在欧米軍の再配置計画を進める米国が、今年前半にもアゼルバイジャンに軍事基地を設置する見通しとなった。ロシアは警戒を強めている。 在欧米軍の移転は在韓・在日米軍の再配置に先駆けて行なわれ、ドイツやイタリアに駐留してきた部隊の多くがポーランド、ルーマニアなどに移転するが、アゼルバイジャンも最有力候補地。昨年秋以降、ラムズフェルド国防長官や在欧米軍、専門家チームが次々に首都バクーを訪れており、アリエフ政権の了承を取った模様だ。 バクーの外交筋は「バクー郊外にあるナソスニ空軍基地が米軍基地になり、当面は機動的な部隊が駐留。在トルコ米軍の前方作戦基地の役割を果たす」とみている。目的は、バクーからグルジア経由でトルコに至る石油パイプラインの防衛やカフカス地方のテロ抑止、カスピ海油田への影響力強化などとされる。

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