カムバック・ケリー・インサイド

執筆者:名越健郎 2004年5月号
エリア: 北米

 11月の米大統領選は、「ブッシュ対ケリー」の対決構図が固まった。上院の生活は19年に及び、「過去の政治家」とみなされつつあったジョン・ケリー上院議員(60)にとって、民主党予備選での大躍進は、本人が言うように「カムバック・ケリー」。 ベトナム戦争の歴戦の英雄で、「安全保障でかかってこい」とブッシュ大統領を挑発。イラク問題や失業、財政赤字などで政権を追及し、ブッシュ大統領も「強敵だ」と打ち明けた。「今、大統領選があれば新鮮な印象のケリー氏が有利」(ワシントン大のジェームズ・デービス教授)という一方、世論調査ではブッシュ氏がややリード。ともあれ、本番は半年以上先。まだまだサプライズがありそうだ。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『ゾルゲ事件 80年目の真実』(文春新書)など。
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