資金調達が困難であるがゆえに、農業の構造転換も進まない。そして、農村部の購買力不足からくる根本的な「消費」の弱さ――。人口十三億の三分の二が住む農村を無視しては、もう中国経済を語れない。「GDP(国内総生産)に占める消費の比率が低すぎる。これは内需の安定した拡大にとってマイナスだ」――。今年三月に開かれた全国人民代表大会(全人代)で、温家宝首相はこう明言した。 ここで温家宝首相が内需のアキレス腱だと指摘している「消費のGDP貢献度の低さ」は、所得低迷が続く農家の購買力不足が最大の原因である。なにしろ人口で言えば中国全体の三分の二を占める農村部の人々の消費が、全体の三分の一にしかならないのだ。
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