シリア分割論がやはり出てきた
2016年9月14日 07:00
ロシアがアサド政権の支援を揺るがす姿勢を見せず、米国がクルド人勢力のユーフラテス河以東での活動に支援を与え、トルコがアレッポ北方に一定の勢力範囲を確保した現在、中・長期的にはシリア内戦のある種の均衡点が見通せる地点に来ている。この均衡点は「一つのシリア」を…
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現在の中東政治・外交の共通の課題を表す概念を一つだけ挙げるならば、"de-escalation"だろう。これをどう訳すか。「緊張緩和」とでも訳すのが無難だろうが、あえて『フォーサイト』では国際政治に慣れた読者も多いと思われるので、「脱エスカレーション」としておきたい。「…
中東で生じている大きな変化を、これから折に触れ、抽象化して記していきたい。 見るべき重要なポイントは、中東地域の政治・国際関係の基調が「非国家主体から国家主体へ」と転じたという点だろう。 2001年の9・11事件以後、イラク戦争後の混乱を経て、「アラブの春」の動…
またも「中東通信」欄の更新が滞ってしまった。しかも今度は長期に留守をした。待っていただいていた読者の方々には深くお詫びしたい。それでもなお待ってくださるという編集部の皆様には感謝の言葉もない。 勤め先の東大先端研に設立した、「大学発・外交安全保障シンクタン…
2022年も大晦日となった。フォーサイト編集部からは、各種の寄稿の打診や企画のお誘いをいただくが、学内シンクタンクROLESの組織運営や海外拠点形成にかかりきりで、反応できないことが多くて心苦しいところである。 昨年はこの「中東通信」欄に、12月に一気に10本の…
イスラエル国会(クネセト)が、12月29日、ネタニヤフ元首相が率いる議会第一党リクード党(議席総数120のうち32議席)が極右政党や宗教政党と組んだ連立政権を承認し、ネタニヤフが政権に返り咲いた。イスラエル政治史上、最も右寄りの政権が誕生した。11月1日に行われた3…
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