自民党に「派閥復活」、党内有力者たちが注視する高市総理「燃え尽き」の気配

執筆者:永田象山 2026年4月15日
タグ: 日本 高市早苗
高い支持率にかかわらず、高市政権がいつまで続くかについて党内では不安視する向きもある[自民党大会で党歌を斉唱する高市早苗首相(左から4人目)=2026年4月12日、東京](C)時事
武田良太元総務相が旧二階派のメンバーを集めて政策研究会を立ち上げた他、旧安倍派や旧岸田派も幹部を中心に会合を重ねている。派閥の“再結成”を主導する幹部たちは、来年9月の自民党総裁選での「高市再選」を自明視していない。その背景のひとつに総理の健康問題への懸念がある。

 普段、週末は総理公邸に籠もる内閣総理大臣・高市早苗だが、この週末(12日)は都内のホテルに姿を見せた。自民党総裁として初めて主催する第93回自民党大会に出席するためだ。

高市「保守合同により政治の安定が達成できていたことも、経済政策面において大きな意義を持つものでした……」(4月12日・党大会のあいさつ)

 高市は、自民党の結党宣言を読み上げ、70年余りの党の歴史を振り返った上でこう述べた。

高市「我が党は316議席という過去最多の議席数を賜ることができました。国民の皆様から『重要な政策転換を何としてもやり抜いていけ』と力強く背中を押して頂けたと考えています」(4月12日・党大会のあいさつ)

 今年度予算が参院での審議に時間がかかり年度内に成立できなかったこと(成立は4月7日)は、衆院選挙の大勝で順風満帆と見られていた高市にとってはちょっとした挫折であったろう。

 参院での“少数与党”という現実に直面したいま、高市は全国から集まった党員を前に改めて総選挙での成果と消費減税などの公約の実現を訴えることで、求心力を強めたいという思惑もあったのだろう。

 さらに、高市周辺は「総理はいま自民党内の動きをとても気にかけている」と漏らす。それは長年の自民党の支配構造の基となってきた「派閥」復活の動きだ。

事実上の武田派が始動、旧安倍派・旧岸田派にも再編の動き

武田良太「二階(俊博)さんが常に言っていたのは『政治というのは絶対に1人ではできないのだ』と、これは原則だと考えている。しっかりとした政策集団として活動していく上で仲間を作り上げていくことは重要」(4月2日・政策集団の立ち上げ会合)

 2月の衆院選挙で国政に返り咲いた武田良太元総務大臣は、所属していた自民党旧二階派(志帥会)のメンバーを中心に新たな政策集団を立ち上げた。今月2日にはおよそ20人の議員を集めて最初の会合を開いた。

 旧二階派は、派閥のパーティ収入を政治資金収支報告書等に記載しなかったいわゆる“裏金”事件で消滅した。そして武田は二階に準ずる派閥の幹部であり、自らも不記載問題で党の役職停止1年の処分を受け、その年の秋に行われた衆院選挙で落選の憂き目を見た。

 その武田が、永田町に復帰してまだ2カ月程度しか立たない中で事実上の“武田派”を立ち上げたことに対しては、裏金事件への反省がないとして世論の反発を買いかねないと、自民党内にも眉をひそめる意見はある。しかし、派閥回帰に向けた動きは旧二階派にとどまらない。

 裏金事件を契機に当時の岸田文雄総理は岸田派(宏池会)を解散し、派閥政治の解消を訴えた。しかし、その後も麻生太郎自民党副総裁が率いる麻生派(志公会)は活動を続けてきた。また、去年の総裁選で高市を支援した萩生田光一幹事長代行や西村康稔選挙対策委員長らは、旧安倍派(清和会)に所属していた議員を定期的に集め、派閥再編に向けた動きを進めている。

 旧安倍派関係者は「清和会は80人くらいの議員が集まるだろう」と見通しを語る。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
永田象山(ながたしょうざん) 政治ジャーナリスト
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