「バノン解任」でも「トランプ政権」は「正常化」しない

解任されてしまったスティーブン・バノン米大統領首席戦略官(左)。トランプ大統領の“腹心”と言われていたが……。 (C)AFP=時事
トランプ米政権の黒幕として悪名高かったスティーブン・バノン首席戦略官が事実上解任されたことが、大きな反響を呼んでいる。しかしそれがトランプ政権の今後について何を意味するのかは答えが出ていない。たとえば、バノン氏が巷間いわれているように、トランプ政権の中の対立する2つのグループ、「現状破壊派」と「現実派」のうちの前者の指導者で、かつトランプを陰で操る男、ということで割り切れるのであれば、今後のトランプ政権の方向性は、ジョン・ケリー首席補佐官やジェームズ・マティス国防長官らの現実派の主導のもとに正常化に動いていく、という希望が出てくるはずだ。しかし米国内の論調からは、現実派の立場からの明るい見通しというものはほとんど出てこない。なぜなのだろうか。

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