待ちかねた電報は来たが、うっかりして机の上のチップを配達夫に渡し忘れたので祝賀用の1ドルが浮いた。これで豪華なデザートを買おう。NYタイムズが35セントの時代、1ドルは予期しない収入だった。
大学正門に近いレストランのオッサンは「そりゃめでたい。日本人は魚が好きだから魚で祝おう」と言って鮭のフライにタルタル・ソースを2倍付けてくれた。
オッサンが宣伝してくれたおかげで客の中にもわざわざ席を立って「おめでとう」と握手を求める人がいた。
アメリカ人も「男子出生」を女児の場合より明らかに差をつけて祝う。なぜだろうと私は考えた。

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