風が時間を
風が時間を (21)

まことの弱法師(21)

執筆者:徳岡孝夫 2017年12月23日
カテゴリ: 国際 社会 文化・歴史
エリア: 北米 日本

 待ちかねた電報は来たが、うっかりして机の上のチップを配達夫に渡し忘れたので祝賀用の1ドルが浮いた。これで豪華なデザートを買おう。NYタイムズが35セントの時代、1ドルは予期しない収入だった。

 大学正門に近いレストランのオッサンは「そりゃめでたい。日本人は魚が好きだから魚で祝おう」と言って鮭のフライにタルタル・ソースを2倍付けてくれた。

 オッサンが宣伝してくれたおかげで客の中にもわざわざ席を立って「おめでとう」と握手を求める人がいた。

 アメリカ人も「男子出生」を女児の場合より明らかに差をつけて祝う。なぜだろうと私は考えた。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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