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時は明治36(1903)年、大分の杵築にある料亭「旭楼」は、折に沸く石炭景気で「第五旭楼」までできる盛況ぶりだった。縁起を担ぎ、3番目の支店の次は第5店と呼んだ。夕方ともなると、髪結いから高島田に結い着飾った芸者たちが出てきて、通りは華やかな雰囲気となり、びんつけ油の甘い香りが広がる。
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