統計不正問題で国会が揺れる中、財務省が「いわく付き」の統計を2月28日に発表した。国民所得に占める税と社会保障負担の割合を示す「国民負担率」である。
2019年度の国民負担率は42.8%と、2018年度に比べて横ばいになるとしている。10月に消費増税が控えているにもかかわらず、好景気で所得が増えるので負担は変わらない、というのである。
この統計を「いわく付き」と言ったのは、財務省は常に次年度の「見通し」を強調して発表し、しかも3月末で終わる「実績見込み」と比較するのだが、この「見通し」も「実績見込み」も当たったためしがないからである。常に、実績よりも低く見積もられているのだ。そして「実績」については、ほとんど触れない。

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