灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(105)

執筆者:佐野美和 2020年6月14日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 東京医科歯科大学病院に入院しているあきは、日々の疲れをとる静養気分でベッドに身体を横たえている。

「入院したのは正解だわ、うんと体が休まるの。お客さんも誰も来ないし最高の憩いの場ね」

 面会謝絶としているが、あきはいたって元気だ。

 終日横になっていると選挙からたまりにたまった疲れがしだいに取り除かれていくように思える。

 昼間の病院の個室ではずっとラジオをつけている。流れてくる女性歌手の「朝鮮メロディー」と呼ばれる独特の節回しのパンチのきいた歌声が、少し耳障りだと思った。

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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