独「ショルツ新政権」の核政策(1)
3党連立で浮上した「NATO核共有」離脱問題

執筆者:岩間陽子 2022年2月10日
エリア: ヨーロッパ
ショルツ首相のウクライナ危機への対応に注目が集まる(C) AFP=時事
ウクライナ危機によって欧州に緊張が走る中、ドイツのショルツ新政権が難しい舵取りを迫られている。NATO核共有からの離脱や核兵器禁止条約へのオブザーバー参加に意欲を示してきたが、それはドイツとNATOの将来を左右しかねない。岩間陽子・政策研究大学院大学教授が新政権の核政策を考察する。

 

 ドイツのオーラフ・ショルツ首相による社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立新政権が発足してからまだ2カ月ほどしか経っていないが、ヨーロッパの置かれた安全保障状況はウクライナ危機によって抜き差しならないものになっている。

 その渦中で、ショルツ政権が前メルケル政権から引き継いだ「宿題」がにわかに重みを増している。ロシアとの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」を巡っては、米国と激しい応酬が続いている。同時に、ウクライナにかけられたロシアの軍事的圧力を目の当たりにしたバルト三国や周辺の東欧諸国は、改めてアメリカの防衛コミットメントの強化を求めている。ロシアの更なる暴虐を許さないためには、どのような防衛体制が必要かがこれから議論され、その中では当然、NATO(北大西洋条約機構)にとっての核兵器やミサイルの位置づけも検討されるだろう。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
岩間陽子 政策研究大学院大学教授。京都大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程修了。京都大学博士。京都大学助手、在ドイツ日本大使館専門調査員などを経て、2000年から政策研究大学院大学助教授。同大学准教授を経て、2009年より教授。専門はドイツを中心としたヨーロッパの政治外交史、安全保障、国際政治学。著書に『核の一九六八年体制と西ドイツ:』、『ドイツ再軍備』、『ヨーロッパ国際関係史』(共著)、『冷戦後のNATO』(共著)、Joining the Non-Proliferation Treaty: Deterrence, Non-Proliferation and the American Alliance, (John Baylisと共編著、2018)などがある。安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、法制審議会、内閣府国際政治経済懇談会など、多くの政府委員会等のメンバーも務める他、(財)平和・安全保障研究所研究委員、日経Think!エキスパート、毎日新聞書評欄「今週の本棚」・毎日新聞政治プレミア執筆者も務める。
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