現在のドイツの安定ぶりを目にすると、この国がかつて「欧州の病人」と呼ばれた頃を想像するのは難しい。
1989年に「ベルリンの壁」が崩壊して以降32年間のうち、前半のドイツは、経常赤字や高失業率に苦しみ続けた。90年の東西ドイツ統一で生じた旧東独地域への支援が大きな負担となったうえ、労働コストの高騰なども重なったからである。それだけに、後半の回復ぶりは目覚ましい。経常黒字は世界トップレベル、失業率も欧州連合(EU)内では最低レベルとなり、EU内での「一人勝ち」状態となった。
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