スサノヲは神話の中で「日本には浮く宝(木材、森林)がなければならない」と述べ、植林事業を手がけていた。文明は必ず森を食べ尽くし、都市を砂漠にしてしまう。スサノヲは文明の欠点をすでに見抜いて、警鐘を鳴らしていたのではなかろうか。そして、日本人の三つ子の魂に、このスサノヲと同じ精神が宿っているように思えてならない。
人間は進歩するのか堕落するのか
江戸時代の国学者たちは、太古の日本に憧れを抱き、『古事記』の神話世界を無二の哲学と考えていた。人類は進歩し発展すると現代人は信じているが、国学者たちに言わせれば、人は徐々に堕落してきたのだという。
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