「イーサリアム」という新しい世界の「創世記」とその可能性の本質

Laura Shin『The Cryptopians』

執筆者:植田かもめ 2022年3月20日
タグ: 暗号資産
 
19歳の若者が作った暗号資産プラットフォーム「イーサリアム」はなぜここまで発展を遂げたのか。NFTやメタバースの登場でその熱狂に拍車がかかる中、インターネット黎明期からの理想である「オープンで透明なプラットフォーム」も困難を抱えつつ、新たな挑戦を始めている。

 ひとつの革命が起こるとき、その内側では人間同士の感情が交錯している。美しい理想や理念が、巨大な富や権力という現実と衝突する。

 ビットコインに代表される暗号資産は、その短い歴史の中で、熱狂と幻滅、高騰と暴落、そして多くの内部抗争を繰り返し、巨大な市場価値を得るに至っている。エルサルバドルは2021年にビットコインを法定通貨に定めた。

 ニューヨーク在住のジャーナリストであるローラ・シンによる本書『The Cryptopians: Idealism, Greed, Lies, and the Making of the First Big Cryptocurrency Craze』(暗号主義者:理想、強欲、嘘、そして最初の巨大な暗号通貨の熱狂)は、その内幕に迫るノンフィクションで、ビットコインに次ぐ市場価値を持つ暗号資産プラットフォームである「イーサリアム」の発展と危機を描いている。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
植田かもめ(うえだかもめ) 洋書を中心とした書評家。Webメディアや雑誌への寄稿を行う。フィクション、アート、ビジネス、テクノロジー、科学などジャンル問わずに未訳本を紹介するブログ「未翻訳ブックレビュー」を運営。本業は経営やITのコンサルタント。
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