「サハリン2接収」大統領令と根拠法に記されたプーチン「愛国主義の文言」

執筆者:西山美久 2022年7月21日
タグ: ロシア 日本
エリア: アジア ヨーロッパ
ロシア・サハリン沖のLNG開発事業「サハリン2」プラント。[サハリンエナジー社提供](C)時事
プーチン大統領はかねて国民からの支持調達の道具として愛国心を利用してきた。「サハリン2」の事実上の接収を正当化するロジックにも、「外敵に貶められているロシアを守る愛国者プーチン」という構図が垣間見える。

 

「サハリン2」大統領令の正当化戦略

 2022年6月30日、ウラジーミル・プーチン大統領はロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」を事実上接収する大統領令に署名した。このプロジェクトの運営主体である「サハリン・エナジー・インベストメント」には、ロシアのガス大手「ガスプロム」やイギリスの石油会社「シェル」のほか、日本から三井物産と三菱商事も参加している。

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執筆者プロフィール
西山美久(にしやまよしひさ) 北海道大学国際連携機構特任助教。九州大学大学院比較社会文化学府博士課程修了。筑紫女学園大学、長崎県立大学などで非常勤講師を務めたのち、2019年から現職。専門は現代ロシア政治。著書に『ロシアの愛国主義ープーチンが進める国民統合』(法政大学出版局、2018年)がある。
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