【Analysis】トルコ南部地震でシリアのアサド大統領が手にする「政治的レバレッジ」

2023年2月12日
タグ: シリア トルコ
エリア: 中東
独裁者にとって「私と連携するか、私を通すかだ」と示す好機に[2020年8月12日、ダマスカスで国会議員に向けて演説するアサド大統領](C)SANA/REUTERS
トルコ南部地震によるシリア北西部の被災者は400万人に上る。反政府勢力が支配するこの地域にとって国際援助は命綱だが、シリア政府はトルコ経由の物資供給に改めて反発。国際社会での孤立状態を打開したいアサド大統領が、これを政治的なテコとして利用する動きが注目される。

[ベイルート(ロイター)]シリアのバッシャール・アル=アサド大統領が、シリアとトルコの広域を襲った大地震を政治的に利用しようとしている。外国からの援助物資がトルコ経由でなく自国を経由するよう仕向けることで、国際社会で孤立する現状を打開しようとしていると、アナリストたちは見ている。

   2月6日に発生したマグニチュード7.8の大地震の被害を受けたシリアの人々に対して、世界中から同情の声が寄せられる中、シリア政府はこれを好機とばかりに、「被災地支援はシリア政府と連携せよ」という主張を繰り返している。

カテゴリ: 政治
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