
新たに発見された巨大惑星TOI-6894b(右上)のイメージ図。太陽の約20%の質量を持つ赤色矮星(中)を周回している (C)University of Warwick/Mark Garlick/Handout via REUTERS
[ワシントン発/ロイター]あまりのサイズ感のミスマッチ。研究で見つかった恒星の大きさは、太陽の質量の約5分の1ほどに過ぎない。現在有力な理論では、この程度のサイズの恒星ならば、地球や火星程度のような小型の惑星が周回していることが考えられる。しかしこの恒星を周回していた惑星は地球や火星より格段に大きく、太陽系で2番目に大きい土星のサイズに匹敵する。
恒星は「TOI-6894」と呼ばれ、地球から星座のしし座の方向に約240光年の位置にある。光年とは光が1年に進む距離であり、約9.5兆キロメートルに相当する。TOI-6894は、大型の惑星が周回している恒星としてはこれまで発見されたものの中で最小であり、以前最小記録を保持していた恒星よりも約40%小さい。
「これほど小さな恒星の軌道で、なぜこれほど大きな惑星が周回することが可能なのかという問いが、今回の発見から生まれた。答えはまだ見つかっていない」と英ウォーリック大学の天文学者で論文の筆頭著者のエドワード・ブライアント氏は述べる。この研究は、6月4日に学術誌『ネイチャー・アストロノミー』に発表された。

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