インド・アッサム州ディブルーガ郊外を流れるブラーマプトラ川。雨季には対岸が見えなくなるほどの大河だ。(筆者撮影)
中国・チベット自治区のヒマラヤ山脈南麓を源流とし、インド・アッサム州を潤しベンガル湾に注ぐ国際河川・ブラーマプトラ川でのダム建設問題が、インド・中国間の新たな紛争の火種になるかもしれない。
中国は11月中旬、北京で開いた第4回印中戦略対話においてインド側に対し、ブラーマプトラ川(チベット語での中国名ヤルン・ツァンポ川)上流で出力51万キロワットの水力発電所を備えたダム建設を正式に通告した。中国外交部の張志軍副部長(外務次官)は「ダムは中国側への引水や貯水を目的としたものではない」と説明。「下流であるインド側への影響はない」、との立場を強調した。
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