「大波乱の党大会」を控えた北戴河会議に異変

執筆者: 2002年10月号
タグ: 中国
エリア: アジア

「例年通りの車列が続くのですが、みな小規模になっていました」――中国共産党中央の高官は、今夏の北戴河会議で相次いだ「異変」を語る。会議に参加する高官たちは家族や秘書グループを従えて、それぞれが数台の乗用車を仕立て、さらに衣類などの必需品や他の高官にプレゼントする各地の特産品などを満載したRV車や小型マイクロバスをともない、河北省の避暑地、北戴河に入る――。これが例年の風景だった。 だが今年は党中央が、軍事管制区域である会議開催地区への「通行許可証の発行を極端に渋った」という。ある地方の党委書記の車列は昨年の五台から二台に、冒頭の高官自身の場合は四台が一台になった。表向きは簡素化を謳いたいのだろうが、「(党中央は)情報漏れに神経質になっていた。参加者や関係者の数を絞りたかったのだろう」というのが実情らしい。

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