「霞が関文学」なるものが存在するという話は以前、聞いて知っていた。残念なことにその神髄に触れることはこれまでなかった。いま、「蠅」子の前にある国土交通省の出した文書は、まことに面白い。なまじのユーモア作家は洒脱さにおいて「入札談合の再発防止対策について」と題する文書を書いた役人に敵うまい。日本道路公団の副総裁逮捕まで発展した鋼鉄製橋梁工事の入札談合に関して、所管官庁である国交省が事務次官以下、身内の幹部を集めた「入札談合再発防止対策検討委員会」なるものを設置し、こまごまとした対策をまとめたのだ。
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