日本から東ティモールの首都ディリまでたどり着くには、どうしても一泊二日の旅となる。国際線フライトの都合よい乗り継ぎ便がないためだ。インドネシアのメルパチ航空が、バリ島のデンパサール空港からディリまで、一日一便の定期便を午前十時台に飛ばしている。この便に乗るには前日夜までにバリ島に到着していなければならない。ホテルで一泊して、ディリまでのフライトは約二時間。眼下にはフロレス島や小スンダ列島のパノラマが広がる。 ようやくたどり着いても、「とにかく何にもない」というのが、ディリ市内の第一印象だ。農業、製造業、流通業、観光業、サービス産業――いずれも成立していない。
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