インテリジェンス・ナウ
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中国核スパイ事件の不可解な結末

執筆者:春名幹男 2000年10月号
エリア: アジア

 アメリカ政界を揺るがした中国核スパイ事件は、「大山鳴動してネズミ一匹」の結果となった。疑惑の中心人物とされた台湾生まれのアメリカ人コンピューター技師、ウェンホー・リー被告(六〇)に対する起訴事実五十九件のうち、検察側が立証できたのは、一件の軽微な犯罪のみ。リー氏は九月に保釈された。日本のメディアも「中国系という理由だけで人種差別の生け贄にされた」とずさんな捜査による冤罪を非難する報道をした。 しかし、法的にはともかく、インテリジェンスの面から見ると、事件はミステリーや疑問だらけだ。 第一に、事件は、昨年第6号の本欄で指摘したように、中国人「ウォークイン」からの情報提供が端緒だった。中国がなぜ自ら手の内を明かしたのか、その意図はなお不明だ。

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執筆者プロフィール
春名幹男 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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