エストラダ大統領の罷免の是非を問う弾劾裁判(ダビデ裁判長・最高裁長官)が十二月七日、フィリピン上院で開始された。下院議員十一人で構成される検事団に対し、弁護団を率いるのはナバサ前最高裁長官。陪審員は、上院議員全員(二十二人)だ。大統領の愛人たちの出廷も論議される弾劾裁判は、「世紀の裁判」として内外の注目を集める。 大統領の訴追は、違法賭博上納金を受領した「収賄」ほか、「腐敗」、「公共の信用への背信」、「憲法違反」の四条項からなる。四条項のうち一つでも有罪とされれば大統領は罷免となる。そもそものきっかけは十月四日、「フエテン」と呼ばれる賭博の違法上納金など五億三千万ペソ(約十二億円)をエストラダ大統領に上納した、とするシンソン南イロコス州知事の告発だった。
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