「野村証券には清冽な地下水が流れている」(『追悼北裏喜一郎』) * 野村ホールディングスの新社長(CEO=最高経営責任者)に五十二歳の古賀信行が就任することになった。一九九七年、総会屋への利益供与事件を機に急遽、社長に就任した氏家純一を含め、ここ三代の野村グループのトップは、言わばハプニングで生まれてきた。古賀の社長就任は久方ぶりの平時のバトンタッチである。 野村の社長交代発表と同じ二月二十八日、人選の難航していた産業再生機構の社長に斉藤惇元野村証券副社長の就任が決まった。年初には、これまで官僚OBによって占められてきた中小企業金融公庫総裁に水口弘一元野村総合研究所社長(元野村証券副社長)が就任している。野村グループ内の果敢な若返り人事と、公的機関での野村OBの活躍はつながりがあるのだろうか。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン