六月中旬、米陸軍フォートマイヤー基地で行なわれたエリック・シンセキ前陸軍参謀総長の退任式は異例ずくめだった。 ラムズフェルド国防長官は姿を見せず、長官周辺からの出席者はゼロ。シンセキ氏の演説テキスト五ページのうち、世話になった政治家や陸軍関係者らの名を挙げて感謝を表明した部分は二ページあまりもあったが、長官への言及は皆無。形式的な感謝の言葉さえひと言もなかった。 強引に陸軍改革を進めようとした長官に徹底的に抵抗、失意のうちに退任した日系の陸軍制服組トップと長官との対立の凄さを物語るシーンだった。
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