日本人は判官びいき、と決まっている。例えば、パレスチナ問題。弱い者の味方であるアラファト・パレスチナ自治政府議長が、いつもシャロン・イスラエル政権の軍や官憲にいじめられる構図、と信じて疑わない。「アラファト追放」を決定したイスラエル政府に対しても、新聞論調の批判は厳しい。 しかし、イスラエル側の抜きがたいアラファト不信の根源的理由はどこにあるのだろうか。そんな疑問を持つ日本人は少ない。 九月二十二日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに掲載された、元ルーマニア情報局(DIE)副長官、イオン・ミハイ・パセパ氏の寄稿記事には冷水を浴びせられた。判官びいきにはあまりにも刺激的だった。
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