インテリジェンス・ナウ

アラファト議長はKGBの手先だったのか?

執筆者:春名幹男 2003年11月号
エリア: 中東 ヨーロッパ

 日本人は判官びいき、と決まっている。例えば、パレスチナ問題。弱い者の味方であるアラファト・パレスチナ自治政府議長が、いつもシャロン・イスラエル政権の軍や官憲にいじめられる構図、と信じて疑わない。「アラファト追放」を決定したイスラエル政府に対しても、新聞論調の批判は厳しい。 しかし、イスラエル側の抜きがたいアラファト不信の根源的理由はどこにあるのだろうか。そんな疑問を持つ日本人は少ない。 九月二十二日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに掲載された、元ルーマニア情報局(DIE)副長官、イオン・ミハイ・パセパ氏の寄稿記事には冷水を浴びせられた。判官びいきにはあまりにも刺激的だった。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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