【[検証]アメリカンスタンダード 5】 対インドネシア政策に見る外交の「二重基準」
アメリカの外交は、その時々で大きく軸がぶれることがある。「強者」であるだけに、相手国には厄介だ。大統領選挙が来年に迫るインドネシアを例に、米外交の歴史的な混線ぶりを見ていくと……。 アメリカ外交はダブルスタンダード(二重基準)である。「国益」が外交の主柱になるのは当然なのだが、アメリカ建国以来の理念や理想主義がときおり主役に躍り出る。この「理想」は時と場所により「民主主義」、「人権」、「自由」、「環境」などさまざまな形をとる。これらの理想が「国益」と重なり合うか、モザイク状にからみあったりする。対イラク戦争遂行のイデオロギー的支柱となった「新保守派」(いわゆるネオコン)が中東の「民主主義」化とアメリカの国益=石油を結び付けたのもダブルスタンダードの亜種である。ダブルスタンダード外交はしばしば対象となる国や地域に混乱と災厄をもたらし、最後は反米ナショナリズムを掻き立てる。資源国インドネシアをケース・スタディに選んで、アメリカ外交の闇の部分をさぐってみた。
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