インテリジェンス・ナウ
サウジ、イラン、イスラエル――モサドが操作する核情報
それは、わずか二十六時間の公式訪問だったが、各国情報機関に複雑な波紋を広げた。 サウジアラビアのアブドラ皇太子が十月十八日から十九日にかけて行なったパキスタン訪問のことだ。ムシャラフ大統領が自らイスラマバードの空港に出向いてアブドラ皇太子を出迎え、帰途も見送るという熱烈歓迎ぶり以外、表面的にはニュースがなかった。日本では訪問自体報道されなかった。 最初に火をつけたのは、パキスタンのウェブ新聞サウス・アジア・トリビューンだった。パキスタン情報当局がアブドラ皇太子の宿舎であるパンジャブハウスのロイヤルスイートに盗聴器を仕掛け、それがサウジ秘密警察に探知されていた、というのだ。
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