【輸出国に足元を見られる日本のLNG調達】 これから十年の間に相次いで契約更新を迎えるLNG調達。

執筆者:西村博一 2005年3月号

 LNG(液化天然ガス)調達の現場に、「二〇一一年問題」が迫っている。日本にとって最大のLNG供給国であるインドネシアとの長期契約が、二〇一〇年末から二〇一一年にかけて更新期を迎えるからだ。契約が切れるのは約千二百万トン分、日本の年間輸入量の五分の一に上る。 二〇〇九年にはオーストラリア、二〇一三年にはブルネイとの契約にも更新期がくる。「契約が切れる時に電力・ガス会社がどう動くか、可能な限り早く見極めたい」。手持ちのLNGタンカーをやり繰りしながらガス輸送を受託する大手船舶会社の幹部は、大口顧客である電力、ガス会社の思惑が気に掛かる様子だ。

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