文人経営者「森稔」を待ち受ける正念場

執筆者:安西巧 2006年9月号

とかく注目を集めた六本木ヒルズにとどまらない森ビルの拡大路線。ゼロ金利の時でもメインバンクは二の足を踏んだが……。 日銀の「ゼロ金利政策」の解除でビジネス界に何が起きるのか。誰もが注目するのは巨額の借金を抱える企業への打撃である。日本航空=約二兆円(リース債務を含む)、西武ホールディングス=一兆一千七十三億円、ソフトバンク=九千五十三億円……。主要企業の有利子負債(二〇〇六年三月末)ランキングをみていくと、財務リスクが常々喧伝される社名が上位に並ぶが、金融機関関係者が「実はあそこも」と言いながら要注意銘柄としてリストアップする会社がある。「六本木ヒルズの大家さん」として名高い森ビルだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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